Tanka

秋来たり捨てられし猫ただそこにじっと座りて宙を見つめる


秋の日にヴィオロン弾きし我が恋の軋み音聴きなすすべもなし


落胆の血潮の満ちるそのたびに二度もつぶやき三度も泣いて


二枚貝潮の力に引き裂かれ別離の末に慕い悲しむ


しっとりと雨に濡れたる花しずく右手に落とし唇に当て


ふるさとの夕日に赤く染めし愛言うまでもなく口さびしくて


白い糸なにかをみすえさそい水つれない天に恨みもすれど


波うちのささやき聴けど無言にて我がなれの果て胸に手を置き


母の胸暑い夏坂帰りこぬ慕う面影ゆらゆら揺れて


山登り清涼の滝眺めれば足元に咲く山百合便り


秋の暮れ我がこころ路の標識も振り返りつつ微笑みもする


姿なし尻尾の先に見え隠れ愛する人の愛嬌の妙


風に揺れ身を守りきぬこの心花にたとえて愛でてあげたし


夕暮れに一人泣くのは寂しいと道ずれにした風の木犀


雀来て枯れ枝の先華を添えさえずりゆらす白銀の恋


春浅し花かんざしの立ち姿眺めてもよし立ち去るも恋


花カンザシとうに忘れた昔にも色合い添えて君に捧げよ

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